再受験生が医師になるまで・その3
再受験開始
一人暮らしは意外と自分の性格に合っていたようだ。
孤独がなんとなく苦手なんじゃないかと思っていたが、想定外。
とても楽しい 。
経験した人は分かると思うけれど、一人暮らしとは本当に自由。
勝手に食事が出てきたり洗濯物をされたりすることはないけれども、どの時間に食事をしようと、帰宅しようと、外出しようと、全くもって気にすることなく自由なのである。
再受験を思い立った当時からすでに再受験ブログというものは沢山存在していて、たくさんのブロガーがいた。
ぶっちゃけた話、当初は彼らのような強い医学部への思いはなかった。
最初の頃は『基本的には薬剤師の道を 進んでいきつつも、医師への可能性を模索していく』程度のテンションだった。
しかしながらハマったのである。
振り返ってみると、前述のような孤独で自由な時間があったからこそハマったんじゃないかな。
『自分は今、世間や親戚・家族に隠れてとんでもないことを成し遂げようとしているんじゃないか』という錯覚に陥った感じ。
『これを達成したらフワフワ生きてきた自分にとってブレイクスルーになるのでは?』という期待もあったように思われる。
ハマった後は夢中で某掲示板やブログを検索して情報を得た。
推奨されている参考書や問題集を20冊ほど購入し、受験までに全ての内容を理解&暗記する事を目標とした。
平日は朝8時から夜の8時まで業務をこなし、その後夕食をとった後、夜の9時から12時まで3時間勉強。
休日は図書館へ籠もり15〜16勉強ぶっ続けで勉強。
昼食時間は職場から離れ近くの喫茶店で桐原書店のネクステージをひたすらやりまくる。
結構苦痛ではあったが、とにかく弱点のセンター試験文系教科の鍛錬をしまくった。
センター文系対策の息抜きにセンター&二次試験の理系対策をした。
家庭教師のアルバイトをしていた時に、何となく要領の良い受験勉強について気付いて居たため、これを存分に取り入れた。
世間で四の五の言われているが、結局は『理解を伴ったパターン暗記の数が物を言う』と考えていた。
課題は、勤め人の限られた時間内で如何に脳みそに知識を叩き込むかだ。
隙間時間をどう活用するか?がKeyだと考えるようになった。
・勉強は机の上じゃなくてもできる
・エビングハウスの忘却曲線
・暗記物は睡眠を挟め
・通勤中などの隙間時間に昨日学習した事を思い出すだけで十分な復習効果がある
・地頭が悪いなら優秀な連中より飛躍的に復習回数を重ねろ
こんな事を心がけながら考案した方法は『手帳勉強』。
自分が迷ったり間違えた問題をピックアップ。
手帳に簡略化したその問題と解法、暗記すべき例文、文法などをひたすら書き綴り、さらに間違えた原因と対策も記入した物を常に持ち歩く。
携帯ではなく紙媒体の手帳を使うのだ。
通勤時間やトイレ(大)、職場のエレベーターの中や街合わせの時に出来る僅かな待ち時間…。
とにかく使える隙間時間を全て活用しまくって脳みそに参考書の内容を可能な限り叩き込み、机上では叩き込んだ内容をひたすらアウトプットに回した。
って事で、必然的に目標は国公立大学の駅弁医学部となった。