再受験生が医師になるまで・その4
手帳で隙間時間を味方に
再受験の事は全く誰にも言って無かったわけでは無い。
辞めるとき迷惑がかかるかもしれないため、薬局長と事務長だけにはそれとなく話した。
『再受験するつもりです、3回やってダメなら諦めます。
業務には極力影響無いようにします。結果は毎年3月初旬にわかります。
合格したら、その3月いっぱいで辞めさせてもらう事になると思います、多分失敗すると思いますけど、後悔したくないので、やるだけやります』とお伝えしておいた。
手帳での勉強は自分の中ではかなりヒットした。
とにかく復習回数が飛躍的に上がるために、手帳に記入した内容は忘れなくなる。
問題文の1行目を読んだ瞬間に解法や構文、訳し方が頭に浮かぶようになる。
迷ったり苦手だった問題が、逆に得意になる感覚。後々に、アウトプットのため解き直してみても解けない問題はほとんど無い。
『買った参考書の内容をほぼ全て理解暗記する』という目標設定をハッキリ決めていた事で、自然と復習重視の勉強になって行った気がする。
これもやってみて分かった事たが、理系の実力は早期に復活する。
化学は多少覚える事はあるのだが、数学や物理はアルバイトで家庭教師をしていた事も影響してか、早々にセンターレベルには到達できた。
理系はやってて楽しかったし、文系知識を叩き込む作業に疲れた脳にとっては良いリフレッシュになっていた。
そんな事を約半年続けた。
受けた模擬試験は河合のセンタープレだけ。
記述模試は勤務の関係上、受けられず。
模擬試験で本番の雰囲気を味わっておくのは大切だとか言うけども、再受験の自分には、まぁドーデモイイ。
センタープレの結果は思った以上に良好な成績。
現役時代、理数は9割余裕の状態だったが文系が足を引っ張ってた。
あの頃はなかなか自分を律することができずに得意科目ばかりやってしまう傾向があったため、 今回は不得意な文系教科を重点的に、濃厚に対策した。
その結果が…
実った!!
センタープレは総合で9割弱!!
勤務中の昼食時間の全てを当てたネクステージは13回目の復習まではカウントしたが、その後はカウントせず。
恐らく16回くらいは繰り返したかな。
量は多いんだけど、5回目くらいから復習にかかる時間が飛躍的に短縮する。
ネクステージの例文を音読しまくってると、必然的に単語も覚えるため、単語帳はほぼ不要と分かった。
手帳に使っていた『メモ専科』とネクステージは半年の間で手垢でボロボロになっていた。
よくここまでやったな、大したもんだ、あとは結果がついてこれば何も言うことは無いのだが。